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書評ブログ

日々の読書の記録と書評

レッドゾーン(真山仁)

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ハゲタカシリーズの第3弾。今回は、同族経営の自動車会社アカマ自動車*1を舞台に、日中のハゲタカが激突する。

今回は、サムライ・キャピタルを率いる鷲津が、買収を巡って争った訴訟に敗訴する場面から始まる。日本の言論をリードしてきた雑誌社で起きた親族間の路線対立。従姉妹に編集長を解任されたジャーナリスト堂本の依頼で、鷲津は雑誌社の買い戻しを画策する。しかし、その矢先に堂本が脳梗塞に倒れる。また、相手は記者会見でハゲタカに会社を奪われると訴え、同時に買収防衛策を発動。鷲津は防衛策の無効を訴えたが、敗訴。鷲津は、またも日本の見えざる壁にぶつかったのだった。

ちょうどその頃、山口県の名門アカマ自動車は「中国のホリエモン」こと賀一華から株式購入の通告を受け、揺れていた。社長の古屋は、政治工作と並行して鷲津をアドバイザーにして買収阻止を図る。そんな鷲津に謎の中国人がかつての部下アランの事故死の真相を知っている言って接近する。ここから、アカマの経営陣、中国共産党の要人、そして香港の大富豪が入り乱れての国際的な買収合戦が幕を開ける。

その頃芝野は、銀行員としてのスタートの頃に関わった大阪の中小企業マジテックに転職し、金策や後継問題に直面しながら、少しづつ再建を軌道に乗せていく。

前作に比べ、企業の内紛、買収への政治の関与、そして買収劇の結末のどれもが非常に(鷲津自身が辟易するほど)ドラマチックで、20年前に流行したジェットコースタードラマを思い出す。しかし、一中小企業の再生に汗を流す芝野や、中国の市井の人々の純朴さの描写が箸休めとなり、かつストーリーに現実味を与えていた。

物足りなかったとすれば、毎回、ハゲタカ代表の鷲津と日本の銀行マン代表の芝野の間に起こる対立、邂逅、そして協力が見せ場の一つなのだが、今回は鷲津の世界と芝野の世界がかけ離れ、それがほんの一瞬で終わってしまったことだろうか。

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*1:アカマ自動車ののモデルがわからなかった。もっとも今回はモデルは全くないのかもしれない。

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