書評ブログ

日々の読書の記録と書評

流星ワゴン(重松清)

Amazon 楽天

ゲームにはまって1か月サボっていました。

今回はドラマでやっている小説を読んだ。ミーハーなもので。

妻の浮気(というよりセックス依存症)と離婚問題、息子の不登校家庭内暴力、自分はリストラ、金を持ってる父親とは不和と、日本家庭の不幸を一人で背負い込んだような男が、ある晩死を意識する。その瞬間、事故死した親子の霊が運転するワゴンに誘われ、「一番大切な場所」と称して1年前にタイムトラベルするところから物語が始まる。

タイムトラベルしたからといって簡単に未来を変えられるわけではないが、心が離れた(と勝手に思っていた)家族の本当の気持ちを次第に理解し、生きる力を取り戻してゆく。

そして、霊の親子も好き好んで成仏もせずにワゴンを運転しているわけではなく、霊なりの事情があった。この辺は完全に「あなたの知らない世界」である。

少し閉口したのは、夫婦生活の描写がやたらねちっこいこと。テレクラ狂いを知りながら妻を抱く夫の、嫉妬と屈折が入り混じった半ば倒錯的な欲情がよく表現されていると思う。が、通勤電車では読まないほうがいい。

原作とドラマの違い探しも楽しみ(夫婦生活のシーンも含め、笑。日曜9時ではオールカットを余儀なくされるかもしれないが)。

[Amazon]流星ワゴン(講談社 重松清)
[楽天]流星ワゴン(講談社 重松清)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ サイトランク