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ハゲタカ2(真山仁/原題 バイアウト)

Amazon(上巻 下巻) 楽天(上巻 下巻)

「日本を買収する」と豪語する鷲津政彦が日本の巨大企業の買収合戦に挑むハゲタカシリーズの第2作。今回も、日本に実在した巨大企業のM&A案件がモチーフとなっている。

上巻では、経営不振に喘ぐ名門企業鈴紡*1の再建を巡り、ライバル企業の月華*2が化粧品事業の買収を目論む。鈴紡内部が分裂し、そこにメインバンクのUTB銀行*3や鷲津たちが背後に加わり買収合戦が始まる。

下巻では、不振の家電メーカー曙電気*4を巡り、「コピー屋」からのステイタスアップをも目論んでアメリカの軍需産業と組み買収に動くシャイン*5が、曙電気に転じ自主再建を果たそうとする芝野と激突する。そこで鷲津がどう動くか、そしてその根底にある思いを見ておきたい。一方で、物語が投資銀行の範疇を超えて広がり、ウソっぽさが出てきてしまうのだが。

本作の縦糸は巨大M&Aビジネスの熾烈な現場と鷲津や芝野たちの勝負だが、以下の数々の横糸が過度に複雑にならない程度に絡まり、物語の面白さを深めている。横糸は次作への伏線でもあり、本作も第1作と同様、To be continuedで終わる。

  • 日光の名門ミカドホテルの再建と若き女性社長貴子の成長
  • 金と少数精鋭の仲間で仕事するやり方から、政府・マスコミを掌で動かすことを覚える鷲津のスタイルの変化。
  • かつての部下アランの横死を巡り鷲津が受けた衝撃と再生、そして謎
  • 芝野の家庭崩壊の危機と再生  等

《Amazon》ハゲタカ2(上) (真山仁 講談社文庫) ハゲタカ2(下) (真山仁 講談社文庫)
《楽天》ハゲタカ2(上) (真山仁 講談社文庫)  ハゲタカ2(下) (真山仁 講談社文庫)

*1:カネボウがモデル

*2:花王がモデル

*3:UFJ銀行がモデルと思われるが、事実と一致しない描写がいくつかあることから、名前を借りて日本のメガバンク全体を表したのだろう。

*4:モデルは日立?

*5:モデルはキヤノン?

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