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書評ブログ

日々の読書の記録と書評

警視庁公安部・青山望 政界汚染(濱嘉之)

 警視庁公安部の青山望たち警察学校の同期カルテットが、政財界・暴力団・外国の闇に斬り込むシリーズ第2作。

 都内に複数の病院・介護施設を擁する有数の医療法人の理事長が、日本公正党の重鎮で厚生族の大澤純一郎*1の引きで参院選比例区に出馬するところから事件が始まる。
市議に裏金をばら撒き、怪しげな選挙コンサルタントに大枚をはたいたものの惜しくも次点。政治活動から足を洗って病院経営に戻ろうとした矢先、当選した議員がひき逃げで死亡して繰上当選。同時に裏金を渡した議員もひき逃げで死亡し、選挙参謀だった事務長が消えた…。

今回も、病院経営に乗り出し数々の悪事を企み、産廃業者に乗り出し犯罪の証拠隠滅に利用する暴力団、スパイ機能を仕込んだルーターを日本で売りさばき、同じ手口で防衛機器を外国に売る中国、それを操る政治家の素顔、それぞれを追う4人の捜査が一点に収斂する。その様は青山の以下のセリフに凝縮されている。

日本社会の裏構造というかな、そこにメスを入れようとすると、政財界の暗い部分がどうしても照らし出されてしまう。

犯人を匿う病院に向かう刑事に東京警察病院の医師が同行し、病院の医師と面接して犯人を警察病院に転院させるシーン*2など、小ネタも興味深い。

*1:小沢一郎小泉純一郎を足して2で割ったようなキャラクターだろう。

*2:警察病院は、一般患者の外来・入院・手術・救急搬送を受け入れる普通の病院であり、医師にとっても普通のキャリアパスの一つであるが、捜査協力という特別なミッションを持っている。

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ(大栗博司)

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 第一線の物理学者が、今日の物理学の最重要テーマ『重力』について、最先端の話題を巧みな比喩を織り交ぜながらわかりやすくかつ正確に解説してくれる。

重力の研究はニュートンがリンゴを見て重力のアイディアをひらめき、惑星の公転運動を説明してみせたことに始まるが、アインシュタイン相対性理論によって重力の本質が解き明かされ、ブラックホールの存在が予言されることが語られる。さらに、量子力学の不思議な世界の数々が語られる。ここまでが準備。

後半では、素粒子を点ではなく振動する弦や膜だととらえる超弦理論と、ホーキングに端を発する現代のブラックホールの研究が融合し、重力ホログラフィー原理が語られる。

全体に、正確、丁寧、わかりやすい説明が貫かれ、17世紀のニュートンから21世紀のホーキングに至るの物理学の発展が良く分かる。また、物理学史の偉人の線画が随所にあり、これが微妙に面白い。

カシオペアの丘で(重松清)

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親子3人で平凡な暮らしをしていたサラリーマンが突然末期がんを宣告されたことをきっかけに、疎遠になっていた故郷、幼なじみのもとに戻り、かつて反発した祖父と対峙しながら人生の最後の日々を送る様を描く。

父と子の相克や、疎遠になった故郷や級友との向き合いは、この作者が繰り返し取り上げるテーマ。今回も、過去のもつれた糸がほどけたりそのまますれ違ったり。しかし、主人公なりに死への準備として心の中で決着をつけてゆく。

視点が変わるが、最初自覚症状のない末期がん患者がある日急変し、以後坂道を転げ落ちるように衰弱する描写が残酷なほど鮮明である。そして、死の床にあってもなお性欲は残るものの、力なく乳房に触れることしかできない姿に哀しさを誘われる。

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流星ワゴン(重松清)

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ゲームにはまって1か月サボっていました。

今回はドラマでやっている小説を読んだ。ミーハーなもので。

妻の浮気(というよりセックス依存症)と離婚問題、息子の不登校家庭内暴力、自分はリストラ、金を持ってる父親とは不和と、日本家庭の不幸を一人で背負い込んだような男が、ある晩死を意識する。その瞬間、事故死した親子の霊が運転するワゴンに誘われ、「一番大切な場所」と称して1年前にタイムトラベルするところから物語が始まる。

タイムトラベルしたからといって簡単に未来を変えられるわけではないが、心が離れた(と勝手に思っていた)家族の本当の気持ちを次第に理解し、生きる力を取り戻してゆく。

そして、霊の親子も好き好んで成仏もせずにワゴンを運転しているわけではなく、霊なりの事情があった。この辺は完全に「あなたの知らない世界」である。

少し閉口したのは、夫婦生活の描写がやたらねちっこいこと。テレクラ狂いを知りながら妻を抱く夫の、嫉妬と屈折が入り混じった半ば倒錯的な欲情がよく表現されていると思う。が、通勤電車では読まないほうがいい。

原作とドラマの違い探しも楽しみ(夫婦生活のシーンも含め、笑。日曜9時ではオールカットを余儀なくされるかもしれないが)。

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採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの(伊賀泰代)

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タイトルとは裏腹に、リーダーシップとは何か、今の日本の企業や社会に必要なリーダーとは何か、どうしたらリーダーになれるかを説いている。

著者は永年マッキンゼー日本法人で採用を担当してきた。コンサルティング会社というと、地頭が良い人を採用したいので面接で難しい質問を投げるという定説があるが、それは目的を誤解しているという。簡単に言うと、考えることが好きか、それから思考体力があるか(考えることはとても体力を使うのでとことん考えることに体がついていけるか)を見ることが目的だそうである。 

採用面接の話はほんの入口で、マッキンゼーにおける問題解決の仕事のあり方を通して、高い成果を生み出すために必要なことはリーダーシップ、それもチームの全員がリーダーシップを持つことであると説き、リーダーに必要な行動として「目標を掲げる」「先頭を走る」「決める」「伝える」を挙げる。
そして、日本では、企業にせよ、社会にせよ、普通の人が日常的に発揮する「リーダーシップの総量」が不足しているという。注意したいのは、少数のカリスマが不足していると言っているのではないことである。ただ、日本人はリーダーシップ教育を受けていないだけであり、OJTやOFF JTにより急速に力を伸ばすという。また、共助社会を実現して公的負担を軽減するために、地域コミュニティの中で普通の人がリーダーシップを発揮することが必要になると説く視点は新鮮である。 

企業にせよ社会にせよ、これからは一人一人がそれぞれの立場でリーダーシップを発揮することが必要になるとの主張には賛同である。主体性を持った個人たちが効果的に協業・協力すべきと読み取ったが、これは薄っぺらい自己責任論とは一線を画するものである。このブログで取り上げている山本一力の作品からは、江戸の下町の人々が、人情を動機としてそれぞれの立場で問題解決リーダーシップを発揮し、共助の社会を実現していたことが見て取れる。「天地明察」における渋川春海も、(そのような描写は薄めだが)やはりリーダーシップを発揮して改暦を実現した。実は、日本にも草の根のリーダーシップの実例が数多く遺され、記録されていると考える。

なお、 NPOがリーダーシップ養成機関として極めて優れているとの主張は概ね正しいと思うが、これは代表者に明確な意志とリーダーシップがある「良い」NPOであることが前提で、現実のNPOは玉石混淆(荒川マラソンを見よ)であることは指摘しておきたい。

最後に、ダイヤモンド社がこのタイトルで出版したことは意味深長である。子供の就職活動を心配する親の世代に手に取らせ、実はその親の世代にメッセージを送ろうとしているというのは、あまりにもうがった見方だろうか。

《Amazon》採用基準 地頭より論理的思考力より大切なもの(伊賀泰代 ダイヤモンド社)
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暗闇商人(深田祐介)

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ロンドンの語学学校を舞台に起きた北朝鮮による日本人拉致をモチーフに、水面下に広がるテロ組織のネットワークとその犯罪を赤裸々に描く。

夫の早逝によりシングルマザーとなった佐久間浩美は、夫の伯父佐久間健一の計らいで息子を連れてロンドンに語学留学する。同じ学校に日本の商社から派遣された安原と恋仲になるが、そこには日本赤衛軍のメンバー水田も身分を隠して潜入していた。水田は、日頃から接点のある北朝鮮工作員から浩美の北朝鮮への拉致に協力するよう指示される。
浩美は罠に嵌められてピョンヤン行きの飛行機に乗せられ、北朝鮮に拉致されてしまう。
ここから、浩美、安原、そして賢一たちの、奪還に向けた戦いが始まる。

奪還劇の紆余曲折、浩美と安原の恋の行方、次第に明らかになる浩美が拉致された本当の理由(これが呆れるほど理不尽な理由である)…、時間があったら一気に読んでしまう。読みかけにすると気になる。また、拉致や身代金誘拐に巻き込まれる危険が案外身近にあることに気づかされ、背筋が寒くなる。
もう一つ特徴的なのは、北朝鮮工作員が話す日本語のなまりが忠実に再現されていることである。濁音が半濁音や清音になる、「し」が「ち」になる等。従って「ビジネス」は「ピチネス」になる。一見ユーモラスなようでいて、実は著者のメッセージかもしれない。

本作では、北朝鮮日本赤軍・フィリピンのゲリラ勢力などが水面下で連携し、拉致・武器売買・身代金誘拐・航空機爆破…と、数々のテロ行為を働く構図が示されている*1。今では、北朝鮮とイランの間でのミサイル取引も明らかになり、北朝鮮がテロ組織のハブとなっていることは誰でも知っている。しかし、本作が最初に出たのは1990年代前半である。大韓航空機爆破事件の直後だが、北朝鮮朝鮮総連極左勢力の日本社会への隠然たる影響力は現在より強く、当時「暗闇」の圧力があったとしても不思議ではない。よく出版できたものだと思う。

※文庫本は入手しにくい模様。電子書籍がお薦め。

《Amazon》暗闇商人〈上〉(深田祐介 文春文庫) 暗闇商人〈下〉 (深田祐介 文春文庫)
《楽天ブックス》暗闇商人(上)(深田祐介 文春文庫) 暗闇商人(下)(深田祐介 文春文庫)

*1:日本赤衛軍とそのメンバーのモデルは日本赤軍であろう。ロンドンを舞台に北朝鮮が日本人を拉致した事案も実在する。フィリピンで商社の支店長がゲリラに誘拐されたことも実話である。一方で、北朝鮮による拉致で発生直後に奪還に成功した事例はないし、拉致被害者がはるばるフィリピンで日本人誘拐に加担させられたという話もない(公にされていないだけかもしれないが)。取材事実とフィクションが巧みに織り交ぜられており、その境界の判断が難しい。

たすけ鍼(山本一力)

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江戸深川の鍼灸の名人染谷が、その腕で貧富貴賤の分け隔てなく病や怪我に悩む人々を救い、救われた人々が染谷に影響され社会に対し教育に救恤にと善行をなしてゆく人情物語。

あかね空のような泣かせる(泣かせを意識した)ストーリーを熱いと表現するならば、本作は遠赤外線ヒーターのようにジワっとした温かさといえる。染谷はすでに還暦を迎え名人の技量と声望を確立しているため、周囲との接し方や影響の仕方に角の立たない老練さ、余裕があるためだろう。

体裁は1~2章程度の長さの独立したエピソードが集められた形で、どの順番で読んでもあまり違和感を感じないのではないか。反面、全体を通して眺めると、醤油屋の内紛の顛末が描かれていないなど完結していない箇所もあるので、もやもや感が残るかもしれない。

なお、鍼や灸の効果がドラマチックに描かれているが、フィクションだと思って医学的なところはあまり突っ込まずに読もう。

《Amazon》たすけ鍼(山本一力 朝日文庫)
《楽天》たすけ鍼(山本一力 朝日文庫)

警視庁公安部・青山望 完全黙秘(濱嘉之)

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警視庁公安部のホープその名も青山望が、異なる部署で活躍する同期の絆を武器に、日本の裏社会と対峙するシリーズ第一弾。

財務大臣梅沢富士雄が、地元福岡にあるホテルのバンケットホールのこけら落としパーティーで刺殺された。犯人は逃げる素振りも見せずその場で逮捕。しかし、現職の大臣が厳重な警備体制の真ん中で暗殺される事態に、警備に当たった福岡県警と警視庁SPの面目は丸つぶれとなった。
しかも犯人は取り調べに完全黙秘。指紋も写真も警察のデータにヒットせず、氏名不詳のまま起訴された。

警察庁長官はこれを警察の威信を揺るがす事態と考え、警視庁刑事部と公安部に捜査を指示、公安部公安総務課の青山警部に背後関係の捜査が下命された。青山は、事件指導班の古参から警視庁管内の公務執行妨害事件で完全黙秘を貫いた男のことを聞き、その追跡記録に当時解明できなかった裏社会の闇を見出す。

ここから、公安・組織犯罪対策・刑事に散らばる同期4人のカルテットが情報交換しつつ、日本の裏社会が蠢く事件の背景に迫っていく。しかし、同期カルテットはあくまで警視庁の、各部の一員として動く。上司に適切に報告するし信頼も篤い。組織を壊すようなスタンドプレーもしない。そのような組織捜査によって裏社会のつながりと犯罪事実が次々と暴かれるプロセスがリアルで非常に面白い。また、強制捜査後の取調シーンも見物。じっくり味わいたい(朗読するのもよいw)。

同じ著者のシリーズに「警視庁情報官」がある。どちらも警察捜査の実態をリアルに描写し、事件の背景に実話と思しきエピソードをモデルがわかるように潜らせている*1。警視庁情報官シリーズは主人公の黒田が特に目立ちそのプライベートもストーリーの重要な一部をなすが、本シリーズは同期4人の事件捜査ぶりを柱に据え、警察組織や人事、組織間の微妙な関係を絡めてストーリーが動く。警視庁情報官シリーズとは違う角度から警察を眺める面白さを味わえる。

《Amazon》警視庁公安部・青山望 完全黙秘(濱嘉之 文春文庫)
《楽天》警視庁公安部・青山望 完全黙秘(濱嘉之 文春文庫)

*1:今回は、菅政権や細川護煕が登場していると思われる

スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考(ジョン=ベリー)

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このブログで小説以外の本を初めて取り上げる。

哲学者でスタンフォード大学教授 の著者が、自らの「先延ばし癖」を分析・考察し、先延ばし癖の効用や付き合い方をゆるく説く。「自己啓発」のタグをつけたが著者の経験に基づくエッセイに近く、1~2時間でさらっと読める。

まず、先延ばしといっても何もせずに怠けているわけではなく、自分に合った優先順位で物事を片付けているんだからいいじゃないか、オレだってそうだけど世間では働き者って言われてるぜと説く。実はこの第1章は2011年のイグ・ノーベル文学賞を受賞している。

ただし、先延ばしを賞賛しているわけではなく、先延ばしを防ぐ著者なりの方法論をゆるく披露している。完璧主義によって仕事に着手できない事態を防ぐ方法、大きな仕事を細かく分解してToDoリストに載せ、少しずつ消し込みながら達成感を味わう方法、音楽の力を借りてテンションを上げる方法など。いかにも『効率的な仕事術』の類の本にありそうだが、こういう方法が役に立つときは確かにある。

その後、先延ばし癖のメリットに触れており、思い当たる読者にとっては若干の癒しになるだろう。

著者は哲学者だけあって、所々で披露される先延ばしに対する考察は鋭く、頷かされるものがある。例えば、先延ばしの原因は完璧主義、それも依頼を完璧にこなす自分の姿を妄想することだという。現実は妄想のように簡単に完璧を期すことはできないから、そこで妄想が挫折して先延ばしが始まるという。また、先延ばし屋には落ち込みやすい性格に悩む人が多く、先延ばしと落ち込みは互いに助長しあうという。
このような考察に触れ、先延ばし屋とうつ病になりやすい性格の類似に気づかされた。

そういえば、「クリティカルチェーン」でも先延ばし癖を取り上げており、先延ばし癖を「学生症候群」と呼び管理者の目線で解消方法を論じていたように思う。本書は自分目線で先延ばし癖とつきあう方法を説いており、アプローチは違うというより正反対だが。

《Amazon》スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考(ジョン=ベリー 東洋経済新報社)
《楽天》スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考(ジョン=ベリー 東洋経済新報社)

レッドゾーン(真山仁)

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ハゲタカシリーズの第3弾。今回は、同族経営の自動車会社アカマ自動車*1を舞台に、日中のハゲタカが激突する。

今回は、サムライ・キャピタルを率いる鷲津が、買収を巡って争った訴訟に敗訴する場面から始まる。日本の言論をリードしてきた雑誌社で起きた親族間の路線対立。従姉妹に編集長を解任されたジャーナリスト堂本の依頼で、鷲津は雑誌社の買い戻しを画策する。しかし、その矢先に堂本が脳梗塞に倒れる。また、相手は記者会見でハゲタカに会社を奪われると訴え、同時に買収防衛策を発動。鷲津は防衛策の無効を訴えたが、敗訴。鷲津は、またも日本の見えざる壁にぶつかったのだった。

ちょうどその頃、山口県の名門アカマ自動車は「中国のホリエモン」こと賀一華から株式購入の通告を受け、揺れていた。社長の古屋は、政治工作と並行して鷲津をアドバイザーにして買収阻止を図る。そんな鷲津に謎の中国人がかつての部下アランの事故死の真相を知っている言って接近する。ここから、アカマの経営陣、中国共産党の要人、そして香港の大富豪が入り乱れての国際的な買収合戦が幕を開ける。

その頃芝野は、銀行員としてのスタートの頃に関わった大阪の中小企業マジテックに転職し、金策や後継問題に直面しながら、少しづつ再建を軌道に乗せていく。

前作に比べ、企業の内紛、買収への政治の関与、そして買収劇の結末のどれもが非常に(鷲津自身が辟易するほど)ドラマチックで、20年前に流行したジェットコースタードラマを思い出す。しかし、一中小企業の再生に汗を流す芝野や、中国の市井の人々の純朴さの描写が箸休めとなり、かつストーリーに現実味を与えていた。

物足りなかったとすれば、毎回、ハゲタカ代表の鷲津と日本の銀行マン代表の芝野の間に起こる対立、邂逅、そして協力が見せ場の一つなのだが、今回は鷲津の世界と芝野の世界がかけ離れ、それがほんの一瞬で終わってしまったことだろうか。

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*1:アカマ自動車ののモデルがわからなかった。もっとも今回はモデルは全くないのかもしれない。

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